当事者研究ミーティング vol.8

第8回の当事者研究ミーティング@東京ウィメンズプラザ、今回は5名参加でやってみました。

第一部は精神看護2015年3月号より、

連載:ケアする人こそやってみよう当事者研究(1)

『(もういいかげん新人じゃないけれど)「頼りたい気持ち」の研究』を輪読しました。

本連載は、いわゆる「xx当事者」ではない人こそ当事者研究をやってみよう!というもので、参考になることも多いです。

ここでは「頼りたい」というのは「弱さを出したい」ということだったのだ!というのが印象的でした。

 

さて、本日第一弾のレッツ当事者研究!は「友人と長く続かない」の研究。

友人(=相談や悩み事を話すことがお互いにできるギブアンドテイクな関係)でいられる人は非常に少なく、テイクばかりやギブばかりだと長続きしない…。という困りごとに、いろんな意見が出ました。

ジェーンスーによると、「ある程度の年齢になると男性は友人いないのがデフォルト(!)」なんだそうですが…。(ちなみにここで登場した"相談は踊る"という人生相談ラジオ番組を試聴してみたのですが、「偉い人が答える」のではないところが当事者研究的で面白いですね。)

 

「長く続かなくてもいんじゃね?」とか

「たくさんの依存先があればひとつダメでも大丈夫!」とか

「(誰かひとりがダメだったら)次いこう!」とか

「テイクとギブでその時の収支が合ってるからいいんじゃない?」とか。

かなり突拍子もないような元も子もないような、それでいて救われるような研究になりました。

あー楽しかった!

 

第2弾は「働くのが怖い」の研究

パワハラ・イジメ・イビリを受けてきた経験から、求人票を見るだけでも「またうまくいかないだろう」、と怖くなってしまう。という困りごとでした。

 

実務レイヤーと精神的レイヤーで色々なアイディアや意見が出ました。

 

1. 怖い体験のフラッシュバック(?)

 ・仕事で受けた辛かったことを吐き出す。繰り返し吐き出す。

 ・辛かった記憶から逃れられないアノニマスミーティングなどでは、くり返し言っていると、 

  「飽きてくる」ときがやってくるらしい??

 ・妄想でいいので辛い思いを受けた相手に対して言い返す。(相手と元気が必要)

 ・不安障害からの回復で用いられている誤学習の塗り替え。

 

   cf:   踏切恐怖症の治療例「安全である」距離を確認するということを繰り返し、少しずつ距離を縮めていく

 

2. "合う職場"はあるのか?あるならどこに?

 ・個人主義の会社/ホワイト企業/外資系/フリーランス/SOHO…?

 ・合う職種業種会社を探すのは、なんだかんだ難しい。

 ・新しい転職エージェンシーは口コミ対策されていない口コミも。

 ・会社の中身を知る。(セミナーや勉強会やってるような会社なら参加するとか)

 ・「おためし」ができる働き方もある。紹介予定派遣や就労支援作業所

 ・「おためし」は、辞める前提なのでダメでもダメージ少ないし、「安全である」ことが確認できれば尚良し。

 

3. パワハラ対策

 ・社労士協会や法テラスなどを利用して、法律面の”理論武装”をすれば、強くなれる。

 「それはパワハラとはちょっと違うかも・これは言っていい・こう言えばいい」ということを、

  専門家目線でアドバイスしてくれる社労士さんがいるといい。

 

 

 実務的な知識は、疎い人には大変ありがたいですね。

不安障害での治療例は「認知行動療法」のひとつのようでしたので、そちらからのアプローチもできるかもしれません。

(寄り集まって勝手に認知行動療法しようとしているのがまさに当事者研究であるとも言えますが、専門家の力を借りることが可能であれば力強いことです)

 

第3弾は「職場での人とのつきあい方」の研究。

リーダーと一対一のときは「できる人キャラ」でいたものが、接し方が苦手なタイプの人が入ってきたことで、混乱している。

 ・ちゃらんぽらんな働き方でいたい。9時から5時をいかに楽に過ごせるか。

 ・しかし「できないキャラ」では、居場所がなくなって感じられてしまうので、そこそこ「できる」くらいがいい。

 ・登りつめる上昇志向な働き方もいや。責任重大になってくると今度はその責任に押しつぶされてしまう。

 

時間切れでボードにはここまでしか書かれてませんが、

 ・管理責任の一部をリーダーに返上するようなことを(改まって相談というふうでもなく)話としてもちかけてみては

 ・苦手なコミュニケーションスタイルの人と、直接の上下関係や協調関係がない方が楽に過ごせるかも。

というようなことをひとしきりみんなで話しました。

 

時々、この「当事者研究」のようすを支援者や心理療法士の方や医療者の方々がみるとどう思うのかしら?と思うのですが、ご意見ご批判お待ちしています。(お手柔らかにしかしきっちり言ってもらえると嬉しいです。)

 

次回は特別企画

東京当事者研究ミーティング

"Meetup at みらい館大明ブックカフェ" vol.1  

1月10日(土)@池袋大明みらい館

 

通常版は

東京当事者研究ミーティング vol.9

1月23日(土)@場所未定(渋谷付近?)です。

 

どなたでも参加していただけます。

 

 

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Comments: 2
  • #1

    シゲ (Monday, 11 January 2016 15:14)

    昨日はありがとうございました。

    ところでジェーン・スーさんはかつて、Tomato n'Pineというアイドルグループのプロデュースをしていたのですが、この曲はとてもいいと思います。「自分で自分をケアする」という内容をとてもチャーミングに音楽で表現していると思います。
    https://www.youtube.com/watch?v=BMsflrosQtQ

  • #2

    ちい (Monday, 11 January 2016 20:34)

    シゲさん

    昨日は参加ありがとうございました!
    また開催しますので、できなかった当事者研究ぜひやりましょう。

    ジェーンスーさんは、このとき初めて知ったんですが、面白いだけでなく素敵ですね。