当事者研究ミーティング vol.10

今日は池袋のがんばれ!子供村で6名で当事者研究にトライしてみました。

 

読書パートは、『べてるの家の「当事者研究」』より、「こころの壁」の研究です。

被虐待児であった〈坂本〉さんが自分の過去のエピソードに対して、受けた対応と生じた感情の違いや、その行動がどんな役割を担っていたのかまとめられている点が印象的です。

過去の辛いエピソードを分析することは、それが辛いエピソードであればあるほど辛そうに思うのですが、そうでもなさそうにたんたんと観察結果が列挙されている感じです。

 

他人事のように研究する、とは言っても、とるに足らない小さなことだと思ってることが相談しにくいように、逆にとても辛かったことも相談しにくいと思うのですが、とるに足らなくても社会的に問題なことでも言って大丈夫ですよ、ということを全員で共有するのが、この読書パートの役割でもあります。

 

本日の当事者研究第1弾は「間に合わない!の研究」

締切間際になってみると意外と進まないし見積もりが違った、とか。

それでもなんとか出来上がったものに対して全然だめだという自分の評価で重くなる/固まる/動けなくなる、とか。そんなことに取り組みました。

 

少ししくみとかを探ってみると、

・自分にとって思い入れのあることの方がこうなりやすい。

・前々からのしんどい気分が遠因にあるかも知れないが、わからない。

・他人の評価によって自分が下す評価が変わることはそれほどなさそうである。

 (酷評されはしないけど、そこには気遣いもありそう、差はいかほど?)

・やり遂げたとき少し安心したけれど、あまり満足感がなかった。

などが。

 

その場で出た意見としては

・しんどそうなイベント(何か成さねばならぬ締切とか)に対しては、しんどくなるよりもはるか前からちょいちょい人に言うことで、人に分けてもってもらうことは可能かも?

・うまくいったときは、うまくいったことに気を払ってないので、逆にうまくいったときの状況を気をつけておくと、比較や思い起こすことができるかも?

 

後ほど出た他の話題から、こちらにつなげると、

・考えていることと自分が成せることには、どうしてもギャップがあるので、ちょいちょいそのギャップを認識して少しでも縮めるようなアクションを自分からおこすといいのかも??

 

というようなことが出ました。

 

第2弾は「食べかけの仕事を食べ残す」の研究

 

成功パターンと失敗パターンに「こういう要素があるのでは」という、発見がありました。

 

第3弾は「個別の点と点であった困りごとをつないでみた」の研究

(ブレててすみません)

自分の中にある、無邪気で明るく素直だけど規律性や社会性のないわがままな「こども」と、社交性や規律的な自己コントロールを一手に引き受け、さらに被害妄想によって苦しむ「大人」が、衝突しているのではないか、という仮説です。

 

「わかる!」という声もあがりましたし、「以前はそうだったけど、今は統合された」という声もありました。

 

外では子どもはなりを潜めており、逆に家でだらけているときは完全に子ども100%で大人は顔を出さない、ということが分かったので

・外での大変さと、家でだらけることができる気楽さを、それぞれ大人と子ども両方で分け持つようなことができないだろうか?

というようなことが話されました。

 

第4弾は「後々必要なことができない」の研究

ご自身が取り組んでいる対処法について、話していただきました。

 

「朝に昨日できなかった点に対する対処法を考えて目標設定 → 夜に振り返り」

というのを毎日実行しているとのことでした。

 

かなりストイックで一見辛そうなのですが、ご本人は「辛いけど楽しい」のだそうです。

 

1. 目標達成のためのルールを作って、達成可否を振り返る。

 

2. ルールを作って守ると「ルールを達成できた」という効力感がある。

3. 守れなかったものについては、次の日に持ち越すことになるが、

 

 守れないときの対策と、最低限これだけという達成可能なハードルを設定する。

4. ルールが達成できる。自分が関与している決めている感がある。

5. ルールを作って守れるようになる。

 

というサイクルを回す感じでしょうか?

こういう手法って、どこかで(ケリー・マクゴニカルとか)聞いたことがある話なんですが、

言われてやるのではなく、ご自身が考えて考えて取り組んで見つけ出したところが借り物じゃなく有効にはたらいているのかもしれないと思いました(一参加者としての感想です)。

 

ここにまとめた以外にも、それぞれのなかに発見や思いがあったと思います。

結論や正解を求めない方向でそれぞれの見方をとりだして話してみると、自然と認知行動療法みたいなことができている(かも)、というミーティングです。

 

自分の苦労は人の役に立つかも知れません。

自分の成功は人の役に立たないかも知れません。

じゃあ、そこらへんをニュートラルに研究してみよう、とするのですが、ポイントはこのニュートラルに研究しようとすることが単純に「面白い」ところです。個人的な主観ですが。

 

次回は3月12日(土)@みらい館大明です。

 

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