当事者研究 @ブックカフェ vol.2

今回の当事者研究は池袋の大明みらい館ブックカフェで2回目のオープンなミーティングです。

参加してくれたみなさま、お疲れさまでした。

読書パートは『精神看護』2015年3月号より「ケアする人こそやってみよう当事者研究(1) (もういいかげん新人じゃないけれど)頼りたい気持ち の研究」 です。

自分の方が頼りたいのに頼ってくる先輩へのとげとげした気持ちを

「とげぴい」とキャラクター化することが、自分のことだけど自分ではないような他人事としてとらえることに一役かっていそう、とか、「とげぴい」の役割は何だろうと考えることで「不安の闇鍋」に蓋をしていたことがわかってきたこと、とか、いくつか印象的だった点をいくつか出し合いました。

さて、当事者研究第1弾は「転職の不安と、家族との関係の不安」の研究。(かな?違ったらコメントください)

はじめ、「転職先どこがいいかなあ?」という悩みに見えましたが、『「転職先どこがいいかなあ」というような相談をする相手がいなくなることへの不安』が見えてきました。

相談をするって難しいもので、相談することで人が離れていったとか傷ついたとかの経験があると、「相談すること」「悩みを話すこと」に対しての拒否感がどうしても高まっちゃうものですよね…。

相談をしないことで「私はひとりで解決するから強いんだがんばっているんだ」みたいな若干の自負心もついてくるから、「相談しないこと」が余計に強化されちゃいますしね。

 

唯一の相談相手が子どもの場合は依存の構造もできそうです。でも、「これは依存よねえ」とおっしゃっているということは、すでにそういう構造についても考えてこられたということなので、心配ご無用な感じでしたけど。

 

うまくまとまらないですが(「うまくまとめる」つもりもそもそもないですが…)親の立場からも子の立場からも発言があったので、面白かったです。

 

第2弾は「親との共依存関係」の研究

同じことを言われても、他人だったら悲しくなる程度なのに、親に対してはイライラしたり爆発して暴言を吐いたりしてしまう、というもの。

たしかに「わかってくれると思う気持ち」は特に親には特に捨て難いものです。

 

自分が親に依存していると思われる部分と、親が自分に依存しているかも知れない部分、を書き出みました。

ここで、みんなでこういう話ができることそのものに希望を感じたりしていました。

 

第3弾は「吃音者内の派閥により吃音当事者の合意形成ができず、政府へのアプローチが閉ざされてしまうのが困っている」の研究

この会でははじめての、個人の困りごとではなく組織の困りごとに取り組みました。

 

はじめは混乱しまして、

 

・「(あるひとつの主張をもって社会に訴えようとする)社会運動には当事者研究は不向きでは?」とか、

・「これは一体誰の問題なんだ?」とか、

・「個人の気持ちに注目することじゃないと当事者研究しにくそう」とか、

 

これを研究題材にすることそのものに対する意見が出たのですが、最後の方で

 

・当事者研究は(ここでいう派閥1でも2でも3でもなく)、起こったことを取り出して研究しようとする態度なので、組織を個人だと見立てて「こちらがこういう出方をしたら向こうはこう出た、なら今度はこうしてみよう」とか戦略をたてることに使えるかも。

・当事者研究それ自体は、あるひとつの具体的な政治的主張を持つ主体ではないけど("当事者運動"とはそこらへんが違う)、「人間関係に帰着する問題解決の手法」として当事者研究的なことができるかも。

 

という意見が出ました。

 

今回は初めてのこと(人数が多い・社会的な問題が登場した)が多く、

運営上の反省点が多いです。アンケートから抜粋しますね。

 

今回の反省点

・社会運動については、けっこう専門的な話が出て来てしまったので、知らない参加者はつまらないし発言しづらいだろうなあ。話せる人は面白いけど…。

・お話に参加するタイミングが掴めなかった。

・当事者研究できたのが10人中3人。

・話す人が固定化されてしまうので、人数が6名くらいが効果的かも?

・難しかった。

・途中で飽きちゃった。

 

良かった点

・積極的な発言があってよい。(裏返すと発言できてない方は不満に思っているかも)

・相談することは自分も難しいので共感できた。

・頼られると嬉しいものかと思っていたので勉強になった。

・来られたこと自体が良かった。

 

うーむ、なんかいい方法ありますかねえ。

 

 

次回は2月20日@がんばれ子供村です。 

 

なんらかの当事者の方、支援当事者の方、家族当事者の方の参加をお待ちしています。

 

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